マラソン横腹が痛くならない方法|原因と対策を浅草入谷のプロが解説
2026/06/06
ランニングやマラソンの途中で、突然横腹が痛くなった経験はありませんか?
気持ちよく走っていたのに、横腹や脇腹が差し込むように痛くなり、ペースを落としたり、立ち止まったりした経験がある人もいるでしょう。
この運動中に起こる腹部の痛みは、医学的には**ETAP(運動関連一過性腹痛)**と呼ばれています。ランニングでは比較的よくみられる症状ですが、現時点でも原因は完全には解明されていません。
だからこそ、「これをやれば絶対に防げる」と考えるのではなく、痛みが起こりやすい条件を知り、食事や水分、走り方などを自分に合わせて調整することが大切です。
この記事では、マラソン中に横腹・脇腹が痛くなる理由と、走る前の予防策、実際に痛くなったときの対処法を分かりやすく解説します。
目次
マラソン中に横腹が痛くなる理由とは?
マラソン中に起こる横腹の痛みは、ETAP(運動関連一過性腹痛)と呼ばれます。 ETAPは特にランニングのように、体幹が繰り返し上下・回旋する運動で起こりやすいことが分かっています。痛みは肋骨の下あたりを中心に、右側または左側に出ることが多いものの、腹部のさまざまな場所に現れることがあります。 ただし、「右なら肝臓、左なら脾臓」というように、痛む場所だけで原因を特定できるわけではありません。 現在はいくつかの仮説があり、その一つとして壁側腹膜への刺激が有力とされていますが、原因が一つに確定したわけではありません。
運動関連一過性腹痛(ETAP)とは?
ETAPは、運動中に突然起こる腹部の痛みを指します。
ランニングやマラソンなど、身体を繰り返し動かす運動で起こることがあり、特にペースを上げたときや、食後に運動したときなどに痛みを感じる人もいます。
痛みの感じ方には個人差があり、鋭く差し込むような痛みから、けいれんするような痛み、重苦しい痛みまでさまざまです。
右側の横腹が痛くなる場合
右側の痛みについては、肝臓や横隔膜、腹部の組織への負荷などが関係する可能性が考えられてきました。
ただし、肝臓の揺れだけで右側の痛みが説明できると断定することはできません。
ランニング中の体幹の動きや姿勢、呼吸、食事との関係など、複数の要因を総合的に考える必要があります。
左側の脇腹が痛くなる場合
左側の痛みについては、脾臓などの内臓との関係が考えられることもあります。
しかし、「左側が痛い=脾臓が原因」と決めつけることはできません。
左右どちらに痛みが出る場合でも、まずはETAPの特徴と、自分が痛みを感じる状況を確認することが大切です。
壁側腹膜への刺激という仮説
ETAPの原因として有力な仮説の一つが、壁側腹膜への刺激です。
壁側腹膜は腹壁の内側を覆う膜で、運動中の体幹の動きや内臓の動きなどによって刺激される可能性があります。
ただし、これはあくまで有力な仮説の一つであり、ETAPの原因が完全に解明されたわけではありません。
そのため、「内臓の揺れを止めれば必ず痛みがなくなる」という単純な話ではありません。
マラソン前に実践!横腹が痛くならない方法
横腹・脇腹の痛みを予防するなら、まずは走る前の食事や水分、身体の状態を見直してみましょう。
食事は直前に大量に取らない
ETAPは食後の運動で起こりやすく、特に運動直前の大量の食事や飲水は誘発要因になる可能性があります。
ただし、「必ず3時間前まで」と一律に決める必要はありません。
大会前に何をどれくらい食べると調子がよいのかは個人差があるため、普段の練習で自分に合う食事量とタイミングを確認しておきましょう。
水分は一気に飲みすぎない
水分補給も重要ですが、運動前や運動中に大量の水分を一度に摂ることは、横腹の痛みを誘発する可能性があります。
特に糖分などを多く含む高張液は、ETAPを起こしやすいことが報告されています。
「50〜100ml」などと固定するより、一気飲みを避け、自分の発汗量や運動時間に合わせて補給することを基本にしましょう。
走る前に身体を動かしておく
いきなり高い強度で走り始めるのではなく、軽いジョギングや動的なウォームアップで身体を温めておきましょう。
特に長距離を走る場合は、身体がスムーズに動く状態を作ってからペースを上げることが大切です。
マラソン中に横腹が痛くなったら?走りながらできる対処法
どれだけ準備していても、マラソン中に横腹や脇腹が痛くなることはあります。 そんなときに大切なのは、痛みを無理に我慢して同じペースで走り続けないことです。 ETAPの対処法には深呼吸、患部を押す、ストレッチ、前屈などが報告されていますが、どの方法がすべての人に確実に効くとはいえません。
まずはペースを落として呼吸を整える
横腹が痛くなったら、まずペースを落としましょう。
呼吸を止めたり、無理に大きく吸おうとしたりせず、自分が無理なく続けられる範囲で呼吸を整えます。
深呼吸で楽になる人もいますが、呼吸による対処には個人差があります。
痛む場所を軽く押してみる
痛む場所を手で軽く押さえる方法もあります。
ETAPを経験した人への調査では、患部を押すことはよく使われる対処法の一つでした。
ただし、強く押し込む必要はありません。
押すことで痛みが強くなる場合は、すぐにやめましょう。
少し前かがみになってみる
痛みがあるときに、上半身を少し前に傾けることで楽になる場合があります。
ただし、前屈がすべての人に有効とは限りません。
フォームを無理に変えるより、まずはペースを落として身体の状態を確認してください。
呼吸と着地のタイミングを変える方法もある
ランニング中の横腹の痛みに対して、着地と呼吸のタイミングを変える方法が紹介されることもあります。
例えば、痛む側と反対側の足が着地するときに息を吐くよう意識する方法です。
ただし、特定の足で息を吐けば確実に痛みが軽減するという十分な根拠があるわけではありません。
「試してみて楽になるなら使う」という程度に考え、痛みが強い場合は無理をしないことを優先してください。
痛みが強いなら走り続けない
横腹の痛みが強くなった場合は、「走りながら治す」ことにこだわる必要はありません。
歩いて様子を見る、または運動を中止することも大切です。
特に、
・強い痛みが続く
・走るたびに強い痛みが出る
・運動をやめても痛みが長く続く
・発熱、吐き気、めまいなど他の症状がある
といった場合は、単なるETAPとは限らないため、医療機関への相談を検討してください。
ランニングの体幹を安定させることも大切
ランニングでは、単に腹筋を強くするだけではなく、走っている間に体幹を安定させながら手足をスムーズに動かす能力が重要です。
ランニングのフォームや体幹の使い方について詳しく知りたい方は、「ランニングのパフォーマンスを最大化する体幹調整」でも詳しく解説しています。
体幹とランニングフォームの関係
ランニングでは、着地の衝撃を受けながら、骨盤や上半身を安定させて前へ進む必要があります。
体幹が安定していれば、下半身だけでなく上半身も含めて効率よく身体を使いやすくなります。
ただし、横腹の痛みを防ぐためには「腹筋を固めればよい」という単純なものではありません。
呼吸と体幹を連動させる
走るときは、身体を安定させながら呼吸を続ける必要があります。
そのため、体幹を強く固めすぎるのではなく、呼吸を妨げない範囲で身体を安定させることが重要です。
呼吸と体幹の関係については、「呼吸と体幹の真実」でも詳しく解説しています。
ランニング中の姿勢を安定させるために、普段から体幹を鍛えておくことも一つの方法です。
ランニング中の姿勢を安定させるために、普段から体幹を鍛えておくことも一つの方法です。
ただし、体幹トレーニングを行ったからといって、横腹の痛みを必ず防げるわけではありません。
ランニングに必要な身体の使い方を身につけるための一つの要素として取り入れていきましょう。
具体的なトレーニング方法については、「体幹を鍛えるトレーニングメニュー一覧」で紹介しています。
まとめ:マラソン横腹対策は「無理をしない」が基本
マラソンやランニング中に起こる横腹・脇腹の痛みは、ETAP(運動関連一過性腹痛)と呼ばれています。
原因は完全には解明されておらず、壁側腹膜への刺激など複数の仮説があります。
予防するためには、
・運動直前に大量の食事を取らない
・水分を一気に飲みすぎない
・自分に合った食事、水分補給を練習時から確認する
・ウォームアップを行う
・走行中に痛みが出たらペースを落とす
・必要に応じて患部を軽く押す、前屈するなどを試す
・痛みが強ければ無理に走り続けない
といった対策が考えられます。
「これをすれば絶対に横腹が痛くならない」という方法はありません。だからこそ、自分がどんなときに痛みやすいのかを練習の中で確認し、食事・水分・ペース・身体の使い方を調整していくことが大切です。
Active Motionでは、ランニング時の姿勢や体幹の使い方など、競技パフォーマンスを高めるための身体の使い方も指導しています。
横腹の痛みを繰り返していて、走り方や身体の使い方そのものを見直したい方は、身体の状態を確認しながら改善方法を探していきましょう。


